中学受験を控えた子どもたちが、家庭内での反抗期を迎えることは珍しいことではありません。この時期は、親としてどのようにサポートすれば良いのか頭を悩ませるものです。今回は、反抗期の中学受験で親が子供に対してできることやどう乗り切って進めていくかを筆者の経験をもとにお伝えします。
筆者プロフィール
自身も約30年ほど前に中学受験を経験。第一志望校に合格したにもかかわらず、親に不合格と嘘をつかれ、親の望む都内伝統女子校に進学。遺恨が残りつつも、なんだかんだと楽しい中高六年間を過ごす。自身の経験より、子供に納得感のある中学受験をさせることを最重要ポイントにし、2024年に娘の中学受験を終了。娘は第一志望校にちゃんと(?)不合格し、自分で選んだ第二志望校の都内難関女子中学に通学中。今は2026年の息子の中学受験に向けて奮闘中。自分の経験が少しでも役に立てばとブログを始める。
1、反抗期って何?中学受験生を持つ親が知っておくべきこと
この章では、反抗期とは何か、そして中学受験生を持つ親が知っておくべきポイントについて解説していきます。子どもが反抗期にあるとき、その状況や感情を理解することは親にとって重要なことです。まずは、反抗期というものを理解し、子どもとの適切な関わり方を見つけていきましょう。
反抗期とは
反抗期とは、子どもが親や大人に対して反発し、自分自身の意見や感情を強く表現しようとする時期のことを指します。この時期は、子どもが自立しようとする自然な成長の一環であり、主に小学校高学年から中学校にかけて見られます。反抗期の特徴として、子どもが自己主張を強めること、親との対立が増えること、そして感情の揺れが激しくなることが挙げられます。中学受験のプレッシャーが加わると、この影響はさらに顕著になります。
私の娘は、親が勉強に伴奏しようとすると途端に態度が悪くなり、勉強に取り組まなくなるという行動が多々見受けられました。親の伴走を緩めようと思い少し距離をとってみると、宿題をまったくやっておらず、テキストが真っ白なんてことも・・・。反抗期と受験勉強が重なることは、親御さんにとって悩ましい現実です。
中学受験生を持つ親が知っておくべきこと
では、親が反抗期について知っておくべきことは何でしょうか?まず、子どもの感情や意見に理解を示し、共感することが大切です。子どもが感じているストレスやプレッシャーを理解し、支える姿勢を持つことが親に求められます。また、子どもとの対話を大切にし、彼らの気持ちや考えを尊重することも重要です。
さらに、子どもの自立心を尊重しつつ、適度な距離感を保つことも必要です。過度に干渉せず、必要な時にサポートを提供するバランスが重要です。必要に応じて、塾の先生に相談することもおすすめです。第三者からのアドバイスを受けることで、親も子どもも安心感を得られます。
この章では、反抗期とは子どもが自立しようとする自然な成長の一環で、親や大人に対して反発し、自分自身の意見や感情を強く表現しようとする時期であることをお伝えしました。また、親はその状況や感情を理解し、適切な関わり方を見つけることが必要だということもお伝えしました。この点を意識して、お子さんに寄り添いつつ、親である私たちの意見もうまく伝えられるコミュニケーションが取れるようにしていきたいですね。
2、中学受験と反抗期が重なった時に起こりやすいこと。男子と女子で異なる対応策とは?
この章では、男女によって異なる反抗期の現れ方や対処法について解説していきます。一般的に女の子の方が早く反抗期に入る子が多く、多くの女の子は中学受験期と反抗期が重なるようです。もちろん、男の子でも中学受験期と反抗期が重なる子もいるでしょう。反抗期と中学受験が重なってしまった場合、一般的に効果があるといわれている対処方法を男女別にお伝えします。
男の子の場合
男子は自己肯定感が低くなりがちです。そのため、成功体験を積ませることで自信を持たせることが重要です。毎日やる計算問題でミスが減ったね!、など小さなことでも褒めて自信を持たせてあげましょう。また、適度な運動はストレス発散に効果的です。スポーツやアウトドア活動を取り入れることで、身体を動かしながらリフレッシュできます。
女の子の場合
女子は感情を表現することでストレスを発散することが多いです。共感的に話を聞き、感情を共有する時間を持つことが重要です。また、勉強ばかりでなく、リラックスできる時間を設け、バランスの取れた生活を心がけましょう。たまには、お子さんの好きなおやつを一緒につまみながら、いつもより長めの休憩時間をとって娘さんの話に耳を傾けるのも一つの方法です。また、十分な休息を取ることも、心身の健康を保つためには欠かせません。睡眠時間を削ってまで勉強させることは逆効果です。
この章では、男女別の反抗期中の対処方法についてお伝えしました。中学受験と反抗期が重なる時期は、親にとっても子どもにとっても挑戦の多い時期です。適切な対応策を取ることで、受験期を乗り切りましょう!
3、成績不振や親子喧嘩…中学受験でよくある問題とその対処法
中学受験の準備は親子にとって大きな挑戦です。テストの結果に一喜一憂することも多いでしょう。特に、成績が伸び悩むと焦りから親子喧嘩になってしまうこともあります。この章では、そのようなときにどのように対処すればいいのかをお伝えします。
成績が伸び悩んだとき
成績が思うように伸びないことは、多くの受験生が直面する問題です。これは、プレッシャーやストレス、勉強方法の問題など、さまざまな要因が影響しています。成績が伸び悩むと、子どもも親も不安や焦りを感じやすくなります。
そんなときは、まずは冷静に子どもの現在の学習状況を把握しましょう。基礎がおろそかになっていないでしょうか?どの教科や分野でつまずいているのでしょう?成績を伸ばしたいあまり、応用問題ばかりやらせていませんか?急がば回れの精神で、ここは基礎を固めることに集中しましょう。簡単な問題でも、解けた!という小さな成功体験が、子供をプレッシャーから解放してくれることもよくある話です。子どもの理解度やペースに合わせた学習を心がけましょう。
親子喧嘩
受験勉強のストレスが原因で親子間の喧嘩が増えることは、もはや中学受験あるあるですね。親は子どもの成功を願うあまり、つい厳しい言葉を投げかけてしまうことがありますが、これは逆効果です。
親子喧嘩を避けるために、まずは子どもの努力を認めましょう。テキストを見ると、とても小学生が解くとは思えないような難問がたくさん並んでいます。それから逃げずにがんばっているのですから、まずは頑張っていることを認め、励ましの言葉をかけるようにしましょう。また、子どもが感じているプレッシャーや不安をしっかりと聞いてあげることも重要です。中学受験は人生の通過点にすぎません。「こんなに頑張ってるんだから、きっとご縁のある学校にいけるよ!」とおおらかに構えることも大切ですよ。
4、親のNG行動!中学受験生に絶対にやってはいけないこと
この章では、中学受験生に絶対にやってはいけないことをお伝えします。中学受験は、親子二人三脚で取り組む受験ともよく言われます。しかし、良かれと思って取る行動が、逆に子どもにとってマイナスになることもあります。では、中学受験生の親が絶対に避けるべきNG行動とは何なのでしょうか。
過度なプレッシャーをかけること
親として、子どもに成功してほしいという気持ちは理解できますが、過度なプレッシャーは逆効果です。子どもがストレスを感じると、学業成績が低下したり、心の健康に悪影響を与えることがあります。勉強の成果を期待するあまり、過度なプレッシャーをかけることは避けましょう。
他の子どもと比較すること
「○○ちゃんはもっと良い成績を取っているのに」といった比較は、子どもの自尊心を傷つける原因になります。子どもはそれぞれ個性があり、成長のペースも異なります。他の子どもと比較するのではなく、過去の自分の子どもと比較して成長を認めてあげましょう。
学習環境の整備を怠ること
子どもが集中して勉強できる環境を整えることは、親の重要な役割です。子どもが勉強しているそばでテレビをみたりしていませんか?子どもが勉強しているときは、気が散らないようにしましょう。そばで読書をしたり、ご自身も一緒に資格試験などの勉強に取り組むのもいいですよ。
子どもの意見を無視すること
親としての意見や希望を押し付けるのではなく、子どもの意見や気持ちを尊重することも重要です。志望校は子ども自身が選んだ学校ですか?親の見栄で選んでいませんか?大切な子どもが6年間過ごすことになる学校です。子どもの意見は必ず聞いてあげてください。
この章では、中学受験生の親が絶対に避けるべきNG行動についてお伝えしました。過度なプレッシャーをかけること、他の子どもと比較すること、学習環境の整備を怠ること、そして子どもの意見を無視することは、子どもの成長や学業に悪影響を及ぼします。子どもは自信を持って中学受験に挑戦できるように、親は適切なサポートをするように心がけましょう。
5、中学受験の撤退が頭をよぎったときに検討すべきポイント
この章では、中学受験からの撤退が頭をよぎったときに検討すべきポイントについてお伝えします。一生懸命勉強を頑張っているのに思うように成績が伸びない、このままじゃ志望校に合格できない、と感じ受験をやめたいと思うことがあるかもしれません。そんなとき、どのようなことをポイントに考えればいいのでしょうか。
子どもの意欲とストレスレベル
まず最初に考えるべきは、子どもの意欲とストレスレベルです。子どもは勉強に前向きに取り組んでいますか?塾には楽しんで通っていますか?思うように成績があがらずに焦っている不安を子どもにぶつけてしまって、お子さんが潰れてしまったら元も子もありません。入試が近づいてきて焦る気持ちはわかりますが、親の不安が子どもに伝わってしまっては悪循環です。受験する子ども自身が前向きに勉強に取り組んでいるのであれば、撤退を考えるのはまだ早いのではないでしょうか。
親子関係や家族の雰囲気
中学受験によって、親子関係や家族の雰囲気が悪化していないか、家庭内のバランスも確認しましょう。家族全員が受験のプレッシャーを感じ、日常生活に支障をきたしている場合は、一度立ち止まって考えることが大切です。子どもの幸せを願って始めた中学受験なのに、親子関係や家族の雰囲気が悪くなってしまっては意味がありません。また、中学受験は人生の通過点であることを忘れずに。
志望校について
志望校が子どもにとって本当に適切かどうかを再検討することも重要です。偏差値や学校名だけで志望校を選んでいませんか?見栄やプライドは必要ありませんよ。学校のカリキュラムや教育方針が子どもの興味や適性に合っていて、子どもがその学校で6年間を楽しく過ごせることが一番重要です。この少子化の中で存続し続けている中学校は、素晴らしい魅力のある学校ばかりです。もし、今の成績と志望校のレベルが乖離している場合、今一度、なぜその志望校を選んだのか再考することも必要かもしれません。
それでも中学受験から撤退したいのなら
長期的な視点で子どもの成長と幸せを考えることが大切です。子どもの幸せを願わない親はいません。受験の撤退によって、今まで頑張ってきたことを否定されたように感じてしまい、自信を失ってしまう子もいます。もし、子ども自身が中学受験をやめたいと言っているのであれば、撤退も視野にいれてもいいでしょう。そのときは、今までの頑張りを褒め、子どもの主張をきちんと受け入れてあげてください。でも、撤退を考えているのは、実は親御さんだけというパターンもあります。先ほども述べたように、中学受験は親の見栄でやるものではありませんよ。中学受験の続行と撤退、どちらを選ぶのが子どもにとってベストな選択なのか、そして子どもの将来にどのような影響を与えるのかを冷静に見極めましょう。
この章では、中学受験からの撤退が頭をよぎったときに検討すべきポイントについてお伝えしました。中学受験の撤退を考えることは決して簡単ではありませんが、子どもの健全な成長と家族の幸せを第一に考えることが最も重要です。冷静に状況を見つめ直し、最善の選択をするために必要な情報とサポートを得るよう心がけましょう。
6、まとめ
今回は、
・反抗期とは、子どもが親や大人に対して反発し自分自身の意見や感情を強く表現しようとする時期のことで、親は子どもの感情や意見に理解を示し共感することが大切だと言うこと
・中学受験と反抗期が重なった時、男子と女子で異なる対応策が違うこと
・中学受験でよくある問題は成績の伸び悩みや親子喧嘩で、子どもの理解度やペースに合わせた学習を心掛けることや子どものプレッシャーや不安に寄り添うことで対処すること
・親のNG行動は、過度なプレッシャーをかけること、ほかの子と比較すること、学習環境の整備を怠ること、子どもの意見を無視する
・中学受験の撤退が頭をよぎったときは、子どもの意欲やストレスレベル、親子関係や家族の雰囲気、志望校について再考すること
についてお伝えしました。
中学受験は親子共に多くのプレッシャーがかかります。そこに反抗期が重なると、より大変になってしまうことは否めません。でも、反抗期は子どもが順調に成長している証拠で、本来はよろこばしいことです。適度な距離感を保ちつつ、親子二人三脚で合格を勝ち取れる日まで駆け抜けましょう!
コメント